延々と終わり見えん戦争

今日も家に帰らない、どうすべき?強制的に連れて行かれ、何日すぎたろう。便りも無く、もしや戦死?馬鹿な考えも脳裏へ浮かぶ。

そう、赤紙で徴兵された旦那は、今もまだ現地。延々と終わり見えん戦争。どこで何をしてるか、生死さえ不明。

嘆くばかりではダメ。一家の大黒柱不在、子供達とココを、あの人の戻る場所を守らんと。真夏、終戦を迎えた日本。

でも未だ帰らない。待つ他なき現状、歯がゆく思うばかり。海外へ出ていれば、正直脱出は難しい可能性ある?無事戻れっかねー。

生活もまた困窮し、不安尽きません。もしや今頃、待つ人は……と思うほかありません。もう割り切れ。新しく、相手を見つけた方が良いよ、周りはそう勧める。

無神経よ!怒り心頭も仕方ねー現状、考えるほどふさぎ込む。ノイローゼ気味へ至る寸前であった。

懐かしい声が、我が家の玄関先に響き渡り、春到来を告げちゃう。「お帰りなさい!」